解散の大義

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

衆議院が解散しました。選挙の日程は、10月10日に公示され、12日間の選挙戦を戦い、10月22日の日曜日に投票日を迎える事となりました。日程は決まったのですが、いきなりの解散風に面食らったのか、解散決定から今までの政界の動きは今までに見たことがないほど目まぐるしく、自民党が戦う相手がなに党になるのやら皆目見当が付きません。
野党の皆さんも、そんな、自分たちの状況が決まらない中で政権批判まではとても手の回らない今日この頃のようではありますが、9月中旬頃の安倍総理がどうやら衆議院解散を決断したらしいと報じられ出した時には、森友事件や加計学園の問題で、あれほど「解散して信を問え」と迫っていた野党や多くの報道は、「大義無き解散だ!」との大合唱となりました。

やはり、自分達に都合のいい時に解散したいものなのでしょうか。しかし、そもそも政権を目指すのであれば、解散が無ければ議席数が変わらず、よっぽど大掛かりな造反でもない限り、過半数を占めることは出来ません。さらに、憲法第7条の規定によって、総理の専権事項と言われている解散権を野党がどうこうすることはままならないし、常在戦場の言葉で例えられる通り、衆議院はいつ解散してもいいように備えているものなのではないのでしょうか。

もちろん、そんなことは、野党の皆さんも報道の方々も充分に解っている事なのでしょう。そう考えると、今回の解散が野党にとっては本当にタイミングが悪かったのだろうなとの推測が浮かんできます。「大義無き解散だ!」という言葉の裏には、「今解散されると困る!」という意味が隠れているのではないでしょうか。何が困るのかというと、もちろん、自分たちが負けるということなのですが。

ただ、ここで振り返っておきたいことは、これら野党の皆さんの叫び声のように、今回の解散には本当に大義が無かったのでしょうか。山尾志桜里議員の離党騒ぎ等があり、今なら勝てるとの流れを読んだ目論見だけの解散だったのでしょうか。いくら、総理大臣が自由に解散権を行使できるとしても、ここは大事なところです。国民にとって、何を問われているのか、何をもって判断すればいいのかが、この大義というものだからです。
では、今回の選挙で、何が判断材料になるのか並べてみましょう。

ここでは4つの論点を上げてみました。

敢えて、初めに野党の皆さんが主張した森友事件と加計学園の問題はどうでしょう。「この解散はモリカケ隠しだ!」とも言われましたが、森友事件については、籠池氏の個人的な犯罪だったということが解ってきており、すでに国会から警察の範疇へと舞台は変わっています。また、この件で安倍総理が全く利益を得ていないことも分かっています。
自分の友人である加計学園に便宜を図ったのではないかという疑惑についても、20年近くも四国への農獣医学部の誘致に取り組んできた加戸前愛媛県知事が国会で証言し、手続きに何の瑕疵も無いことや、文科省が法律ではない省の告示だけで、50年間も学部を作らせなかったこと等を証言し、「むしろ、歪められていた行政が正された」と述べています。
国会の閉会中審査で、ここまで明らかになってきた二つの問題については、「政府に不正がある」と、真っ向から対立してきた野党と安倍政権のどちらが正しかったのか、確かにここで国民に信を問う良い機会だと思います。

2つ目には、これも敢えてといういい方になるのでしょうが、改憲の問題を取り上げてみたいと思います。安倍総理の個人の思いだけではなく、自民党は立党の目的の一つとして自主憲法の制定を掲げています。ただ、日本国憲法の改正までの道のりは世界一といってもいいほど険しく、衆議院参議院両議院の3分の2以上の賛成で発議され国民投票にかけられます。そしてこの国民投票で有効投票数の過半数を占めなければなりません。もちろん発議までの議論もなかなか纏まるものではない。不磨の大典という言葉が実質的に当てはまるのが日本国憲法という現実があります。ただ、その中でも、時代の変化や自分たちの国をどういった国にしていくのかという理念に沿った憲法に変えていかなければならないと思います。ここでは主に改憲の手続き的な事を中心に書かせていただきましたが、安倍政権が憲法改正を具体的に進めようとしている今、当然これは国民に信を問う材料の一つではないでしょうか。

3つ目は北朝鮮の問題を含めた安全保障の話です。毎日の選挙の話題で埋もれがちになっているのが怖いですが、いつ我々の頭の上にミサイルが飛んでくるのかわからないという状況の中で、同盟国のアメリカと連携を密にしながら、中国やロシア、韓国台湾などの周辺国にとどまらず、ヨーロッパの国々や東南アジアの国々などと交渉し、日本の国際的な立場を強めつつ、国の安全を守っていく重要な舵取り役を引き続き安倍政権に任せていくのか、それともご覧の通りの混迷を極めている野党に任せるのかという選択です。この先、重要な判断が迫られる可能性がある世界情勢だと考えますが、それらの判断を誰に任せるのか真剣に考えなければなりません。安全保障関連法案が審議されていた時、これらの法整備が進めば戦争に繋がる「戦争法案だ!」という反対をあおる刺激的な言葉が飛び交いました。しかし、現実的には逆で、安保関連法制などで備えることが戦争を引き起こさないブレーキとなっているのではないでしょうか。そして、あれほど安保法制に反対した皆さんが、公認の条件として賛成することを迫られると、選挙のためにはあっさりと賛成に回る喜劇が、皆さんの目にはどのように映られたでしょうか。Jアラートという名の空襲警報がいつ鳴りだすかわからない状況下で、国防を誰に任せるのかは重要な選択です。

最後の4つ目に消費税の税率引き上げのことについて書かせていただきます。今回、安倍総理が消費税の値上げ分の一部を借金返済に回さず、子育て支援を中心とした社会保障費に回すといったことは、とにかく税率を上げたいと考えている財務省との議論から生まれた苦肉の選択ではないでしょうか。私は、基本的には消費税の増税には反対です。直接的に景気を冷え込ませるインフレ政策となる増税を、デフレからの脱却を進めている今やれば、財政政策が無意味になってしまいます。財務省はしきりに財政規律を言い国の借金が1,000数百兆円に上るとあおりますが、財政というものは貸し方と借り方のバランスで見なければなりません。借金があってもそれを埋めて余りある資産があれば財政は破綻しません。しかも国債のほとんどは日銀引き受けです。日銀が、国債が暴落しても売るようなことは決してありません。それでも税率を上げなければならない状況になるほど財務省の力は強いわけですが、上げた分を財政出動として経済に回せば、消費税値上げの悪影響は緩和されます。そして、そのお金を教育に使っていくということはこれからの日本を担っていく人材を育てる必要性から見ても納得できる内容なのではないでしょうか。財務省との議論で勝ち取った成果とも言えるでしょう。ただ反対と唱えればいい話ではないのです。消費税の増税分の使い道は、国民にとっても政府にとっても、「信を問う」程の重要な内容ではないでしょうか。

以上4つの論点を上げてみました。「勝つことが大義だ!」という乱暴な言い方をされる方もいますが、私は、これだけあれば、充分に解散する大義になると考えます。いかがでしょうか。

そして、根本的な話ですが、今、政権を担ってもらえる政党が自民党以外にあるのでしょうか。自民党以外の野党の皆さんはまさに日替わりです。党が、今日有っても明日存在するかわからない状況です。昨日言っていたことと今日言っていることが違います。皆さん、ここは冷静に判断しましょう。今の日本をリセットされたら困りませんか?

最後に安倍政権になって、経済の数字がどのように改善したのか「数字で見る安倍政権の成果」として一覧にして頂いたのでご覧いただき、是非参考にしてくださいませ。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする